精神保健福祉士 過去問
第27回(令和6年度)
問89 (精神医学と精神医療 問5)

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問題

精神保健福祉士試験 第27回(令和6年度) 問89(精神医学と精神医療 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)において、自閉スペクトラム症と診断するための症状に含まれるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
  • 精神運動焦燥または制止
  • 感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ
  • チック症状
  • 気分の高揚
  • 幻覚

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この過去問の解説 (3件)

01

自閉スペクトラム症とは、対人関係におけるコミュニケーションの障害や、強いこだわりによる行動の障害などを持つ先天性の発達障害です。

視線が合わなかったり、特定の行動を繰り返す特徴があります。

選択肢1. 精神運動焦燥または制止

この症状はうつ病に見られるものです。

選択肢2. 感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ

自閉症スペクトラム症には、感覚刺激に対する敏感性、あるいは鈍感性があります。


 

選択肢3. チック症状

これはチック症やトゥレット症候群に見られる症状です。

選択肢4. 気分の高揚

双極性障害の躁状態などで見られる症状です。

選択肢5. 幻覚

統合失調症やせん妄の症状です。

まとめ

自閉スペクトラム症では、周囲が気にしないようなちょっとした物音に対する過剰な反応や、真冬に薄着でも寒さが気にならないといった感覚の過敏さ、鈍感さのかたよりが見られます。

また、身体の動かし方が不器用で、運動やリズムに合わせる行動が苦手といった特徴があります。

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02

DSM-5を用いて自閉スペクトラム症を判断する場合には

 

1社会的相互性の障害とコミュニケーション障害

2制限された反復行動

 

の二つの軸を中心に評価を行います。

 

また、2の下位項目に

「感覚鈍麻・感覚過敏」などの知覚異常の項目があります。

 

その他「症状は発達早期に存在していなければならない」

などの基準があります。

 

 

選択肢1. 精神運動焦燥または制止

正しくありません

 

精神運動焦燥または制止」は、自閉スペクトラム症の診断基準には記載されていません。

選択肢2. 感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ

正しいです。

 

感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さは、自閉スペクトラム症の診断基準に記載があります。

選択肢3. チック症状

正しくありません。

 

「チック症状」は、自閉スペクトラム症の診断基準には記載されていません。

選択肢4. 気分の高揚

正しくありません。

 

「気分の高揚」は、自閉スペクトラム症の診断基準には記載されていません。

選択肢5. 幻覚

正しくありません。

 

「幻覚」は、自閉スペクトラム症の診断基準には記載されていません。

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03

精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)は2013年に公開され、使用されたものです。

選択肢1. 精神運動焦燥または制止

✕ 精神運動焦燥は、その場でじっとしていられず動き回る、座っていられなかったり、手を動かし続けるなど落ち着かない様子を言います。対して、精神運動制止は話し方が遅くなったり単語が出てこなくなるなどの症状を言います。

精神運動焦燥または制止は、うつ病の診断基準の一つとされており、自閉スペクトラム症の診断基準には含まれていません。

選択肢2. 感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ

〇 適切な選択肢です。

選択肢3. チック症状

✕ チック症状とは、首振りやまばたき、声出しなど、一見すると癖のように見える行為が断続的に出現する脳と神経の障害の事を言います。チック症状は自閉スペクトラム症の診断基準として含まれていません。

 

選択肢4. 気分の高揚

✕ 気分の高揚は、双極性障害などに見られる症状であり、自閉スペクトラム症の診断基準に含まれていません。

選択肢5. 幻覚

✕ 幻覚は統合失調症などで出現する症状であり、自閉スペクトラム症の診断基準には含まれていません。

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