精神保健福祉士 過去問
第28回(令和7年度)
問26 (精神保健福祉の原理 問8)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

精神保健福祉士試験 第28回(令和7年度) 問26(精神保健福祉の原理 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事例〕
相談支援事業所に勤務するA精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」に基づき市に設置されている協議会の委員を務めている。A精神保健福祉士は、協議会が主催する精神保健福祉ボランティア講座の講師を担った。精神障害に関する講義の後に行ったグループワークで、ある参加者から、知人が「精神障害者は危険なので病院に閉じ込めておくべきだ」と強く語っていたこと、その考えは誤りであると否定したが、うまく納得してもらえなかったエピソードが紹介された。(※1)
A精神保健福祉士は、このエピソードの背景にある課題の解決に向けた取組が必要と考え、協議会で問題提起した。そこで、A精神保健福祉士は、この課題解決の取組を検討する議論に精神障害の当事者も加わり意見を反映させることが重要であると考え、当事者を委員に加えることを提案し、了承された。(※2)
次の協議会で、提起した課題が議論された。新たに参加した当事者委員から「病気になる前はストレスフルな状況が続いても無理をしていたが、自分が精神疾患になるとは思っていなかった」と語られた。また、病気になって周囲から差別を受けたり、精神疾患を理由に恋人との結婚を周囲から反対されたりしたこと、そのうち、障害者の仲間以外との関わりがほとんど無くなったことなど、生活での苦労の経験が語られた。一方で、A精神保健福祉士がそれらの経験の中で得たことを質問すると、近所に病気や苦労を理解してくれる人がいて救われたことや、新たな生き方に価値を見いだせるようになったことが当事者委員から語られた。
A精神保健福祉士は、当事者委員が語った苦労の背景にある課題の改善に向けて、精神障害者の人生の価値を共有できるような市民向けの講座を行うことを提案した。
協議会では他にも活発な意見が出され、講座の計画が作成された。(※3)

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

次のうち、A精神保健福祉士の提案(※2)の根拠となるものとして、適切なものを1つ選びなさい。
  • Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)
  • 「この子らを世の光に」
  • 当事者研究
  • 「ダメ。ゼッタイ。」普及運動
  • 「ごく当たり前の生活」

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

課題解決に向けて精神保健福祉士が提案している場面です。実践の場面でも、提案するためには、目的や根拠を言語化できるようにすることが重要です。

選択肢1. Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)

適切です。「課題解決の取組を検討する議論に精神障害の当事者も加わり意見を反映させることが重要」とあることから、適切であることがわかります。

選択肢2. 「この子らを世の光に」

不適切です。「糸賀一雄」の障がいを持つ子どもたちの福祉に関連した言葉です。

選択肢3. 当事者研究

不適切です。当事者自身が自分の障がいや症状に向き合い研究することです。事例とは関連していません。

選択肢4. 「ダメ。ゼッタイ。」普及運動

不適切です。薬物乱用防止活動に関連することです。

選択肢5. 「ごく当たり前の生活」

不適切です。「その人らしい生活」と考えることができます。事例とは関連していません。

参考になった数6

02

本設問では、発生している課題に対して当事者が参加していない事を問題視したA精神保健福祉士の取組に着目しています。当事者が参加し自分達自身の事をどうしていきたいかをともに考える事を重要視しています。

選択肢1. Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)

〇 選択肢の内容は、障害を持つ当事者が自分達の事を他の人達に決められる事を問題視した発言です。この考え方を発信し続け、後の障害者権利条約の採択に繋がっていきました。

選択肢2. 「この子らを世の光に」

✕ 選択肢の内容は、糸賀一雄が述べた言葉であり、障害のある子ども達の未来の可能性を説きました。障害があるからといって、保護されるべき存在と区別せず、他の人々とともに支え合い、ともに生きる事が重要であると述べています。

選択肢3. 当事者研究

✕ 当事者研究とは、障害を持つ人が自分自身の障害について研究・分析を行い、自分自身の問題に対してどう対処していくかを考える事を言います。

選択肢4. 「ダメ。ゼッタイ。」普及運動

✕ 「ダメ。ゼッタイ。」普及運動とは、薬物乱用を防止するために毎年行われる運動です。薬物乱用に関する正しい知識を普及させるために実施されている事であり、本設問で挙げられている内容の根拠となる物ではありません。

選択肢5. 「ごく当たり前の生活」

✕ ごく当たり前の生活とは、一人ひとりが自分らしく生きる事の重要性を述べた、谷中輝雄の言葉です。本設問で問われている根拠とは異なります。

参考になった数1