精神保健福祉士 過去問
第28回(令和7年度)
問25 (精神保健福祉の原理 問7)
問題文
〔事例〕
相談支援事業所に勤務するA精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」に基づき市に設置されている協議会の委員を務めている。A精神保健福祉士は、協議会が主催する精神保健福祉ボランティア講座の講師を担った。精神障害に関する講義の後に行ったグループワークで、ある参加者から、知人が「精神障害者は危険なので病院に閉じ込めておくべきだ」と強く語っていたこと、その考えは誤りであると否定したが、うまく納得してもらえなかったエピソードが紹介された。(※1)
A精神保健福祉士は、このエピソードの背景にある課題の解決に向けた取組が必要と考え、協議会で問題提起した。そこで、A精神保健福祉士は、この課題解決の取組を検討する議論に精神障害の当事者も加わり意見を反映させることが重要であると考え、当事者を委員に加えることを提案し、了承された。(※2)
次の協議会で、提起した課題が議論された。新たに参加した当事者委員から「病気になる前はストレスフルな状況が続いても無理をしていたが、自分が精神疾患になるとは思っていなかった」と語られた。また、病気になって周囲から差別を受けたり、精神疾患を理由に恋人との結婚を周囲から反対されたりしたこと、そのうち、障害者の仲間以外との関わりがほとんど無くなったことなど、生活での苦労の経験が語られた。一方で、A精神保健福祉士がそれらの経験の中で得たことを質問すると、近所に病気や苦労を理解してくれる人がいて救われたことや、新たな生き方に価値を見いだせるようになったことが当事者委員から語られた。
A精神保健福祉士は、当事者委員が語った苦労の背景にある課題の改善に向けて、精神障害者の人生の価値を共有できるような市民向けの講座を行うことを提案した。
協議会では他にも活発な意見が出され、講座の計画が作成された。(※3)
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、(※1)のエピソードの背景にあるものとして、適切なものを1つ選びなさい。
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問題
精神保健福祉士試験 第28回(令和7年度) 問25(精神保健福祉の原理 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
〔事例〕
相談支援事業所に勤務するA精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」に基づき市に設置されている協議会の委員を務めている。A精神保健福祉士は、協議会が主催する精神保健福祉ボランティア講座の講師を担った。精神障害に関する講義の後に行ったグループワークで、ある参加者から、知人が「精神障害者は危険なので病院に閉じ込めておくべきだ」と強く語っていたこと、その考えは誤りであると否定したが、うまく納得してもらえなかったエピソードが紹介された。(※1)
A精神保健福祉士は、このエピソードの背景にある課題の解決に向けた取組が必要と考え、協議会で問題提起した。そこで、A精神保健福祉士は、この課題解決の取組を検討する議論に精神障害の当事者も加わり意見を反映させることが重要であると考え、当事者を委員に加えることを提案し、了承された。(※2)
次の協議会で、提起した課題が議論された。新たに参加した当事者委員から「病気になる前はストレスフルな状況が続いても無理をしていたが、自分が精神疾患になるとは思っていなかった」と語られた。また、病気になって周囲から差別を受けたり、精神疾患を理由に恋人との結婚を周囲から反対されたりしたこと、そのうち、障害者の仲間以外との関わりがほとんど無くなったことなど、生活での苦労の経験が語られた。一方で、A精神保健福祉士がそれらの経験の中で得たことを質問すると、近所に病気や苦労を理解してくれる人がいて救われたことや、新たな生き方に価値を見いだせるようになったことが当事者委員から語られた。
A精神保健福祉士は、当事者委員が語った苦労の背景にある課題の改善に向けて、精神障害者の人生の価値を共有できるような市民向けの講座を行うことを提案した。
協議会では他にも活発な意見が出され、講座の計画が作成された。(※3)
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、(※1)のエピソードの背景にあるものとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 倫理的ジレンマ
- マージナルマン
- 二重拘束性
- スティグマ
- 優生思想
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この過去問の解説 (2件)
01
本事例では参加者の方とその知人の方とのやり取りに着目する事が必要です。あわせて選択肢に挙げられているキーワードの意味を押さえておくようにしましょう。
✕ 倫理的ジレンマとは、2つの異なる主張があり、どちらを選んだとしても何らかの利益や価値が損なわれる可能性がある状況の事を言います。本事例においてそのような状況は見られていません。
✕ マージナルマンとは、2つの異なる集団の境界線に立ち、その両方の集団から影響を受けながらも、そのどちらの集団にも属す事ができない存在の事を言います。本事例においてそのような状況は見られていません。
✕ 二重拘束性とは、二つの矛盾するメッセージを同時に受ける事で混乱が生じてしまったり、強いストレスを受ける状態に陥る事を言います。本事例においてそのような状況は見られていません。
〇 スティグマとは「烙印」と訳されます。特定の集団に対する間違った認識により、周囲の人間から否定的な扱いを受ける状態の事を言います。参加者の方が紹介した知人とのエピソードは、知人が精神障害者に対して偏見を持ち、間違った価値観を持っている事が分かりますので、スティグマに当てはまります。
✕ 優生思想とは、命に優劣をつけ、劣っていると位置付けた者を排除する考え方を言います。本事例においてそのような状況は見られていません。
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02
精神保健福祉ボランティア講座のグループワークにおいて、参加者から出た発言について問われています。事例問題では、場面や誰の発言かなど、全体像を理解して読み解くことが重要です。
不適切です。倫理的ジレンマと考えられる記述はありません。
不適切です。マージナルマンと考えられる記述はありません。
不適切です。二重拘束性と考えられる記述はありません。
適切です。「知人が『精神障害者は危険なので病院に閉じ込めておくべきだ』と強く語っていた」ことから、差別や偏見を含んでいると考えられます。
不適切です。優生思想と考えられる記述はありません。
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