精神保健福祉士 過去問
第28回(令和7年度)
問40 (精神障害リハビリテーション論 問4)
問題文
〔事例〕
大学1年生のAさん(18歳、男性)は、前期の成績で多くの単位を落としてしまった。成績を見た母親が大学に相談したところ、学生支援室を紹介された。数日後、Aさんと母親は学生支援室のキャンパスソーシャルワーカーであるB精神保健福祉士(以下「Bワーカー」という。)の元を訪れ、面談した。母親は「Aは、小学校入学後に落ち着きの無さが目立ち、専門医の受診を勧められ、発達障害と診断された。高校までは学校側に発達障害を伝え、教員のサポートを受けて大きな問題は生じずに卒業できた。大学ではこれまでのようなサポートを申請するか迷っていた」と話した。Bワーカーは、本学には障害学生支援制度(以下「支援制度」という。)があり、これまでも支援制度を利用している学生が居ることなどを説明すると、Aさんと母親は安心して申請を希望した。面談後、Bワーカーは発達障害がある学生が大学に相談に来ることも増えてきたことを踏まえ、今後大学として改めて取り組むべき事柄を、大学に提案した。(※1)
AさんとBワーカーは支援制度の申請に向けて面談を重ねた。Aさんは、自分の発達障害について詳しいことは理解できていないとのことだった。そこでBワーカーは、支援制度の申請と共に、学生支援室が後期に心理教育プログラムとして月1回の全6回シリーズで行う「発達障害についての学習会(以下「学習会」という。)」への参加を勧めた。(※2)
その後、Aさんは支援制度を受けることになり、2年生時には単位を取得できるようになった。また、Bワーカーとの面談時に「半年にわたる学習会に参加して、自分のつらさを分かり合える仲間が居て、自分は一人ではないと実感でき、とてもうれしかった。自分のように困っている学生が学内で孤立しなくなる方法はないか、発達障害についてみんなに知ってもらうにはどうすれば良いか」と話した。そこで学習会の仲間と一緒に今度の大学祭で「発達障害のことを知ろう」という発表会の企画を開催することにした。(※3)
次の記述のうち、Bワーカーが大学へ提案した(※1)内容として、適切なものを1つ選びなさい。
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問題
精神保健福祉士試験 第28回(令和7年度) 問40(精神障害リハビリテーション論 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
〔事例〕
大学1年生のAさん(18歳、男性)は、前期の成績で多くの単位を落としてしまった。成績を見た母親が大学に相談したところ、学生支援室を紹介された。数日後、Aさんと母親は学生支援室のキャンパスソーシャルワーカーであるB精神保健福祉士(以下「Bワーカー」という。)の元を訪れ、面談した。母親は「Aは、小学校入学後に落ち着きの無さが目立ち、専門医の受診を勧められ、発達障害と診断された。高校までは学校側に発達障害を伝え、教員のサポートを受けて大きな問題は生じずに卒業できた。大学ではこれまでのようなサポートを申請するか迷っていた」と話した。Bワーカーは、本学には障害学生支援制度(以下「支援制度」という。)があり、これまでも支援制度を利用している学生が居ることなどを説明すると、Aさんと母親は安心して申請を希望した。面談後、Bワーカーは発達障害がある学生が大学に相談に来ることも増えてきたことを踏まえ、今後大学として改めて取り組むべき事柄を、大学に提案した。(※1)
AさんとBワーカーは支援制度の申請に向けて面談を重ねた。Aさんは、自分の発達障害について詳しいことは理解できていないとのことだった。そこでBワーカーは、支援制度の申請と共に、学生支援室が後期に心理教育プログラムとして月1回の全6回シリーズで行う「発達障害についての学習会(以下「学習会」という。)」への参加を勧めた。(※2)
その後、Aさんは支援制度を受けることになり、2年生時には単位を取得できるようになった。また、Bワーカーとの面談時に「半年にわたる学習会に参加して、自分のつらさを分かり合える仲間が居て、自分は一人ではないと実感でき、とてもうれしかった。自分のように困っている学生が学内で孤立しなくなる方法はないか、発達障害についてみんなに知ってもらうにはどうすれば良いか」と話した。そこで学習会の仲間と一緒に今度の大学祭で「発達障害のことを知ろう」という発表会の企画を開催することにした。(※3)
次の記述のうち、Bワーカーが大学へ提案した(※1)内容として、適切なものを1つ選びなさい。
- 発達障害がある学生専用の学生寮を設置する。
- 発達障害がある学生に選択させるための合理的配慮内容のリストを前もって用意する。
- 教職員全員に向けて発達障害についての研修会を実施する。
- 障害の程度によって、単位認定基準を緩和することとする。
- 本人及び保護者以外の誰からでも支援制度の申請を可能にする。
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この過去問の解説 (2件)
01
Aさんとの面談や「発達障害がある学生が大学に相談に来ることも増えてきたことを踏まえ」た上で、大学へ提案している場面です。大学へ提案するためには、ニーズがあることや根拠を整理することが重要です。
不適切です。事例からは、発達障害がある学生の住まいについて課題があるような内容は読み取れません。
不適切です。発達障害は、人によって状況やニーズが異なることから、それぞれの対応が求められると考えることができます。
適切です。「今後大学として改めて取り組むべき事柄」とあることから、教職員全員に向けて発達障害の理解を深めることは重要です。
不適切です。障害を持つ方へのサポートや配慮は重要ですが、「単位認定基準を緩和すること」は、不適切と考えることができます。
不適切です。支援制度の申請は、基本的に本人であることが重要です。「誰からでも」申請を可能にすることは不適切と考えることができます。
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02
本事例ではAさんを含めた発達障害がある学生にとって、学校として必要な配慮を検討する問題となっています。当事者が現在困っている内容について確認し、それに対する支援を考えていく必要があります。
✕ 現在困っている内容として読み取れる事は、前期の単位を多く落としてしまっている事です。単位を落とす事で進級できなくなってしまう可能性などが考えられるため、そこに対する配慮が必要と考えられますが、発達障害がある学生専用の学生寮を設置する事を希望しているような描写は無いため、適切な提案とは言えません。
✕ 発達障害がある学生に対しての合理的配慮の内容を検討する事は重要ですが、そのリストの中に含まれていない内容に困っている学生も存在している可能性は高く、その困りごとに対する配慮を行う事ができません。当事者に何が困っているかを確認する事は重要ですが、支援の幅を限定してしまう事にも繋がるため、事前に合理的配慮内容のリストを用意しておく事は、適切な提案とは言えません。
〇 事例の中で発達障害を持つ学生が増えており、当事者からの相談も増えているという情報が書かれています。本事例で登場する大学では、障害学生支援制度がありますが、その担当者だけで支援する事は困難であり、教職員にも協力を得る必要があると考えられます。発達障害についての研修会を行う事で、教職員全員に発達障害に対する理解が進む効果が得られると考えられるため、適切な提案内容と言えます。
✕ 学生が発達障害を持っていたとしても、その大学の一学生であるという事実に変わりはありません。単位認定基準を緩和する事は特別扱いとなってしまう可能性も高く、合理的配慮の範疇を超えてしまっていると考えられます。また、単位認定基準はそれぞれの担当教員に裁量があるため、スクールソーシャルワーカーが提案するべき内容ではありません。
✕ 発達障害を抱える本人、または保護者等からの申し出により支援制度の申請は行われる事が、自己決定の面からも望ましいと考えられます。支援制度について周知する事は必要かと考えられますが、誰からでも支援制度の申請を可能にすることは適切な提案内容とは言えないと考えられます。
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