精神保健福祉士 過去問
第28回(令和7年度)
問41 (精神障害リハビリテーション論 問5)

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問題

精神保健福祉士試験 第28回(令和7年度) 問41(精神障害リハビリテーション論 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事例〕
大学1年生のAさん(18歳、男性)は、前期の成績で多くの単位を落としてしまった。成績を見た母親が大学に相談したところ、学生支援室を紹介された。数日後、Aさんと母親は学生支援室のキャンパスソーシャルワーカーであるB精神保健福祉士(以下「Bワーカー」という。)の元を訪れ、面談した。母親は「Aは、小学校入学後に落ち着きの無さが目立ち、専門医の受診を勧められ、発達障害と診断された。高校までは学校側に発達障害を伝え、教員のサポートを受けて大きな問題は生じずに卒業できた。大学ではこれまでのようなサポートを申請するか迷っていた」と話した。Bワーカーは、本学には障害学生支援制度(以下「支援制度」という。)があり、これまでも支援制度を利用している学生が居ることなどを説明すると、Aさんと母親は安心して申請を希望した。面談後、Bワーカーは発達障害がある学生が大学に相談に来ることも増えてきたことを踏まえ、今後大学として改めて取り組むべき事柄を、大学に提案した。(※1)
AさんとBワーカーは支援制度の申請に向けて面談を重ねた。Aさんは、自分の発達障害について詳しいことは理解できていないとのことだった。そこでBワーカーは、支援制度の申請と共に、学生支援室が後期に心理教育プログラムとして月1回の全6回シリーズで行う「発達障害についての学習会(以下「学習会」という。)」への参加を勧めた。(※2)
その後、Aさんは支援制度を受けることになり、2年生時には単位を取得できるようになった。また、Bワーカーとの面談時に「半年にわたる学習会に参加して、自分のつらさを分かり合える仲間が居て、自分は一人ではないと実感でき、とてもうれしかった。自分のように困っている学生が学内で孤立しなくなる方法はないか、発達障害についてみんなに知ってもらうにはどうすれば良いか」と話した。そこで学習会の仲間と一緒に今度の大学祭で「発達障害のことを知ろう」という発表会の企画を開催することにした。(※3)

次の記述のうち、この学習会(※2)の目的と方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • これまでの問題や困難の原因は環境要因でないことを理解する。
  • 支援者の援助方針に従うことで問題解決が進むことを強調する。
  • 発達障害の概念を専門的な用語を用いて説明する。
  • 参加者同士の交流を学習会以外で行わないように注意する。
  • 参加者がこれまでの生活でうまく対処できた点に着目する。

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この過去問の解説 (2件)

01

心理教育プログラムとして行う「発達障害についての学習会」の目的と方法について問われています。理解を深めるだけではなく、参加者同士の交流も重要です。

選択肢1. これまでの問題や困難の原因は環境要因でないことを理解する。

不適切です。「これまでの問題や困難の原因は環境要因でない」とは言い切れません。

選択肢2. 支援者の援助方針に従うことで問題解決が進むことを強調する。

不適切です。「支援者の援助方針に従うこと」は、本人の意向を尊重することではないと考えることができます。

選択肢3. 発達障害の概念を専門的な用語を用いて説明する。

不適切です。事例に「Aさんは、自分の発達障害について詳しいことは理解できていないとのことだった」とあることから、「専門的な用語を用いて説明」しても、理解が深まらないことが予想されます。

選択肢4. 参加者同士の交流を学習会以外で行わないように注意する。

不適切です。学習会以外における参加者同士の交流は重要です。

選択肢5. 参加者がこれまでの生活でうまく対処できた点に着目する。

適切です。参加者それぞれの成功体験等に着目して学習会を進めることは重要です。

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02

Bワーカーは面談を重ねる中で、Aさんが自分の発達障害について理解があまり出来ていないと感じている事を知ります。BワーカーがAさんに学習会の参加を勧めた理由としては、Aさんの障害に対する理解を深める事と、当事者同士の繋がりを深めて仲間づくりをする事などが考えられます。

それらの内容を踏まえた上で問題を解いていきましょう。

選択肢1. これまでの問題や困難の原因は環境要因でないことを理解する。

✕ 学習会は、Aさんのこれまでの問題についての原因を探るために行われるものではなく、Aさんや発達障害のある当事者の方が障害に対する理解を深めるために行うものですので、選択肢の内容は不適切です。

選択肢2. 支援者の援助方針に従うことで問題解決が進むことを強調する。

✕ 支援者は当事者自身が問題解決できるようにサポートを行います。支援者の援助方針に無理に従わせて問題解決させる事を教えるのは、不適切な支援です。

選択肢3. 発達障害の概念を専門的な用語を用いて説明する。

✕ 発達障害に対して知識をつける事は、学習会の大きな目的と言えますが、Aさんは発達障害の事を詳しく理解できていないと話しており、他の参加者もAさんと同様の状態の学生が存在すると考えられます。当事者に説明を行う際には、専門用語を避けて分かりやすく話す事が求められますので、選択肢の内容は不適切です。

選択肢4. 参加者同士の交流を学習会以外で行わないように注意する。

✕ 学習会の目的として、発達障害に対する知識をつける事は大きな目的の一つですが、仲間づくりもまた大きな目的の一つと考えられます。学習会以外での交流を禁止する事は不適切です。

選択肢5. 参加者がこれまでの生活でうまく対処できた点に着目する。

〇 適切な内容です。参加者がこれまでの生活でうまく対処できた点に着目・共有する事で、他の参加者の困りごとを解決する事にも繋がる可能性があります。

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